★認知行動療法?ネズミに続いてウナギ心理学も考える 電気ショック実験2023年12月02日 14:14

 なんとかの一つ覚えの「ニンチコウドウ療法」に知性をつぶされないように気をつけたい…という趣旨で、ネズミ心理学の話でしたが、昔、動物実験をしていた実験心理学の白衣の先輩達が、ウナギを使った実験で楽しそうに話していました。

○動物のシンリ学的な実験―。ウナギを水槽内の筒の中に入れて動けないようにします。装置がつけてあり、ウナギの心拍・鼓動数を測ります。そして、実験者が勝手に決めている回数以上ドキドキしたら、電気ショックを与えるのです― ビリビリッ!
 死なない程度ですが、そんなことをやっているうちに、どういう訳か、ウナギは「あまりドキドキしないようになっていく」のですね、これが。
 電気ショックで大興奮している間は、何度も電気ショックが来るわけで、きっとパニックになり、ますます興奮し続けて、何度も何度も電気ショックが来る― ビリビリッ!
※電気ショックとは、冬に静電気でビリッと来るアレです。

 ここからは推測ですが、そのうちウナギは疲れ果て、ドキドキするエルギーも気力も無くなり?! 諦めて?! 少しおとなしくなる…。すると、電気ショックが来ないので、「ああ、やれやれ…」と一息つけることになりますう―。といったようなことで、ウナギは学習します「あの筒に入れられたら、騒がずにジッとしているのが良いのだ…」と。

○反対の場合もあります。別なウナギは、筒に入れられていて、普通にしていると、実験者が勝手に決めた心拍数よりも低いということで、突然、電気ショックが来ます!ビリビリッ! ウナギはびっくりしてドキドキするわけですが、ドキドキしていると高い心拍数になっているので、電気ショックが来なくなりますー。というわけで、ズーッとドキドキしていると大丈夫ですが、少しホッとしてのんびりしようとすると、心拍数が基準よりも少ないのでまた電気ショックが来る―ビリビリッ!
 といったことを続けられていると、そのウナギは筒に入れられると、「ドキドキしないといけない!」と決意したかどうかは分かりませんが、ドキドキし続けて、電気ショックから逃れられる―。

 という実験がなぜ成立するのでしょうか…。ウナギが考えているかどうかは分かりませんが、筒に入れられて勝手に電気ショックを与えられたりするうちに、とにかく、電気ショックを回避するようになる―。思考とか知性とかではなく、何か感覚的な対応なのだと思いますが、凄いものです。
 でも、そういうウナギの心理は全く無視して、「電気ショック→回避するための何らかの反応」という、「刺激→反応」ということしか見ないのが行動主義なのです。どんな刺激を与えたら、どんな反応が何回起きたか。そして、反応数はどう変わっていったのか…。
 実験が終了した後は白衣の先輩達はウナギの蒲焼きをおいしくいただいたそうですが、なんだかなあ…。

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