心理学…死語、累々。「暗示」の偽薬効果の高さなど2020年05月23日 14:06

 『免疫革命』(著者 安保徹)について、昨日、ブログで触れましたが名前の漢字を間違ってしまい、大変申し訳ありませんでした。やれやれ…(嘆息)。
 ところで。3月末の退職時、自宅に300冊ほどの本を持ち帰ってきました。もともとは1000冊以上あったのですが廃棄したりなどで減らし、家のキャパ、ギリギリで300冊…。まったく片付けが進んでおらず、廊下の窓際に積んであります。何とかせねば…と思っていたのですが、昨日、自分で書いた言葉でギョッとしました―。「心理学…死語、累々」です。

自室を含めて家にある本の多くは、30-40年前の古い本から、10-20年くらい前の「新しい本」…。ということで、「心理学死語全集」が編まれたならば、それにほとんどが含まれるような感じなのです。例えば、かつては一世風靡した『ユング心理学」の本や河合隼雄の本はたくさんあるのですが、臨床心理学や心理士にとっては今は無きに等しい概念…。京都などの老舗の大学ではきちんと教えているところもありますけれど。

 『免疫革命』にあるガン治癒の4箇条の中に、「笑うこと」が挙げられています。これは今は心身医学領域で認められている通り、免疫力を上げてくれます。医学上のことはさておいて、自分でできる方法としては実に簡便で良いと思います。

 長年、催眠や暗示の研究・実践を行ってきました。『精神生物学―心身のコミュニケーションと治癒の新理論』1999の本では、催眠ならびに暗示効果についての研究が丁寧に紹介されています。著者の一人は、エリクソン催眠の実践研究者のE.ロッシです。
 いろいろと内容のある本ですが、「薬の偽薬効果(placebo プラセボーまたはプラシーボ)」がかなり高く、例えば「鎮痛剤の効果はその55%は暗示効果…」という研究例が示されています。
 ということなので、薬が働き出す前、例えば私の場合は飲み込んだ瞬間に「あっ、効いた!」と叫ぶので、家人には鼻で笑われます。しかし、じきに登場するだろう薬効45%の前に、偽薬効果55%を用いて痛みを止めることができる…。

 ※催眠・暗示の世界では、例えば、抜歯やお産の時の痛みなどについて「無痛」ないし「無感覚」を実現する方法はいろいろ実践されています。 ラグビー選手が強打して倒れた後、アルミのヤカンでの水は間違いなく効きますね。(体験済み)

 なお、くよくよ悩んでいる人が「効く…と信じよう…」というネガティブな態度では逆効果でしょうね。内面では<効くはずはないけれども…とりあえず…>ということでは、無意識側では「効かないことを確信している」ので、効果が出るはずはありません。場合によって、無意識側の「効かないのだ…」という力が増して、かえって良くないかもしれません。<こんな一生懸命「効く」と念じているのに、効かないのだからダメだ…>といった具合です。ネガティブ思考の典型的悪循環路線…

 ちなみに、国内では催眠・暗示の研究や実践はこの20年間、低調の極みです。また、学生に見せたい催眠関係のまともなTV番組は20年前のVHSテープで撮った資料しか手元にありません (現場でのそれは倫理規定などもあり困難)。ということで「心理学死語累々…」に残念ながら、催眠・暗示も仲間入りのようです。
 でも、このブログを見ていただいてる皆さんは、鎮痛剤の偽薬効果55%を知ったので、是非、呑んだ瞬間に「効く!」と叫んで下さい。周りの人が腹を抱えて笑ってくれると、それに合わせてこちらも笑って…いずれにしても免疫が高まるので悪いことはありません。なお、これはもう明示であって暗示ではないですけれども、結果、オーライ all right!です。

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