オランダ事情その3ですー 暴動に対してロッテルダム市長の言葉が届く ― 2021年01月28日 22:44
オランダの知人からの第三報です。コロナ感染拡大を押さえるための「夜間外出禁止」に反発した人たちの暴動と、その続きです。読んで感動してしまいました。遅い時間になりましたが、ブログにすぐに引用いたしますっ。
遠くオランダのことですが、身に染みる内容でした。市長の言葉と市民の人たちが立ち上がったこと…。
こちらでは、コロナ禍で困窮している人たち、その多くは非正規だったり子育てに苦闘している女性だったりしていますが、その人達に対して、首相が国会の場で「…生活保護を受けるように」と発言してしまいました。
それを聞いて絶句しました。首相は昨年の演説で「自助・共助・公助」という言葉を使いましたが、コロナ禍の経済的困窮に対する公助とは「生活保護」の事だったのか…。
収入が減ったり無くなったりしている中でも、皆さんそれなりの誇りと気概をもって何とか頑張っているのに、です。
…せっかくの首相の発言なので、この際、「人としてのベーシック・インカム」(最低必要限の基礎収入)として、生活保護について考えてみませふ。海外の国や自治体では実験的に、何の紐付きもせずに毎月10数万円とかを2-3年間「与える」というベーシック・インカムの実験を行っていますね。
ちなみに『健康で文化的な最低限度の生活』(柏木ハルコ)という漫画では、「…新卒公務員として福祉事務所に配属されたのが主人公の義経えみる。そこでケースワーカーとして生活保護に関わり、生活に困窮した人々の暮らしを目の当たりにして…」というストーリーです。生活保護の実際を「マンガで学ぼう」!
東京都庁前では、食料の無料配布に200-300人が並びました。中には、収入ゼロ、住むところ無しの人たちが居るので、支援団体などの関係者が「生活保護は?…」と尋ねると、その中の2-37-8割の人は、申請すると親族などに調査の連絡が入るのを嫌って「申請していない」という状況…。バイデン大統領は、アメリカの生活困窮者にかなり大規模な支援をする法案を準備中といいますが、日本では「無い」…。
いやー オランダ混乱 続編です。 でも潮流が変わりました。
夜間禁止令が出た2日間は若者暴徒による破壊行為が悪化。暴動のみならず略奪行為にまで発展。ここまで伝えたところ。
その後3日目の朝、昼過ぎにルッテ首相や内閣がメッセージを出す中、自治体の市長も発言してました。
その中でひときわ際立って「ハートをつかむ」メッセージを出したのが第2の都市、ロッテルダム市の市長さん。
この人、実はモロッコ移民出身の人で非常に斬れる人。他の政治家が批判メッセージを連発するなか異彩を放ちました。
以下新聞の記事をグーグル訳を使ってさらに要約してみました。
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オランダ 2021年1月26日火曜日
「車を燃やし、石を投げつける」
ロッテルダム市は、昨日暴動の犠牲になった都市の1つです。いくつかの都市では、暴動者がバス待合所を破壊し、警察に岩や花火を投げ、店を略奪し、車に火をつけました。 警察は厳しく介入しなければならず、184人を逮捕した。もっとあるかもしれません。 ロッテルダム市では、南部の大規模な騒乱の結果として、警察が昨日50人以上を逮捕しました。
暴動から12時間後、ロッテルダム市アバウアレブ市長が暴動について語ります。
暴徒に尋ねる事から切り出します。と同時に、犠牲者を支援してます。
ロッテルダム市長のアフメド・アバウアレブが本日ツイッターに投稿したビデオメッセージの始まりです。
「昨夜盗んだものをどうしましたか?」
「あなたの隣に盗品がいっぱい入ったバッグを持って目を覚ますのは気分がいいですか?」
「昨日の南ロッテルダムでの大規模な暴力の発生からほぼ12時間後です。そして、あなたは今目覚めましたか?いい気分ですか?」
「あなたはあなたの街を破壊したのですか?」
「君は自分たちがしたことを誇りに思っていますか?」
「近年、私たちは信じられないほどの金額とエネルギーを一緒に投資して、
この地域をロッテルダムの美しい商店街に変えました」
「暴徒さん、あなた方はそれを誇りに思っていますね?
そしてあなたは自分の街を*_*_**_ペリシテ人_*のようにしています。」
「あなたのベッドの横にある盗まれたものの袋、
それは英雄気分ですね。あなたの良心は何と言っていますか?」
原注* ペリシテ人 現在のヨーロッパ諸語では、ペリシテ人とは「芸術や文学などに関心のない無趣味な人」の比喩として使用される。 また、パレスチナ(Palestina)は「ペリシテ人の土地」という意味。ウイキペディアより
アバウアレブ市長は両親にも話しかけます。
「昨日息子さんが外出してましたか?」
「息子にどこにいるのか尋ねましたか?」
「午後9時だから、家に帰ってこいと電話でもしましたか?」
「それとも、盗品を見て“これが普通のことか?”と考えましたか?」
最終的に、彼は暴力の犠牲者であった経営者に話しかけます。
「私たちはあなたを失望させません」
「私たちはあなたを助けるつもりです。保険会社や他のみんなと一緒に、
私たちはあなたに新たなスタートを与えるように努めます。」
「ロッテルダム市は社会の価値観のために、闘争、真の闘争を通じて強くなりました。」
「私たちが互いに立ち向かう連帯する街として。私たちが破壊したい都市ではないのです。」
「街を守り、すべてを再びきれいにするために働いてくれた人々に感謝します。」
「昨夜、これらすべての使用人に感謝と感謝を捧げます。大きなコミットメントです。ありがとうございました。」
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これを聞いたとき、少し感動しましたね。こういう時にこうした切込みができる政治家。本人か側近かは解りませんが、おそらく市長本人の言葉だと思います。しかもメッセージではなく問いかけ方式。
当地では色んな移民がいますが、モロッコ系移民というと良い印象はほとんどない人々なのです。それだけ犯罪に多い。
そこをこの市長はよく心得ている。特に両親へのメッセージに観て取れます。多分オランダ原型の市長だたらカドが立ったでしょうね。
この日はさすがにオランダ社会が動きました。市民が立ち上がって掃除をして、非難のメッセージを出して、そしたら各地のサッカークラブがこぞって
「おらが町に暴動は許さん」と言いながらサッカーファンなる兄ちゃん、おっさん達が夜の見回りに出ました。自称「ハードコアファン」という部類の人達。
フーリガンとは違う(らしい)のでご注意。しかし見てくれは区別付きません。黒装束でごっつい人たち。
同時に今度は農家の兄ちゃん、おっさん達も「ファーマー自衛隊」なる自警団で夜間に道路をトラクター封鎖したり。
(最近のCO2排出の環境問題で農家がとばっちりを受けている事が背景にあって、農家の活動家たちがしきりにデモや反政府運動してる。)
これでは若者暴徒もおとなしくせざるを得なくなりこの2晩は静かになってます。
一方で被害を受けた商店は政府、保険が保証する・・のと、他にクラウドファンドなる動きが出て寄付金が集まっています。
このへんはとてもオランダ的です。ほとんどの国民は暴動には反対でその結果としてこうした動きが出るのはまだ健全な社会と考えます。
皆、やっぱり最初の2日はあっけにとられて、驚いたのでしょう。「しかし自分たちが何かしなければ・・」という動きです。
昨夜のニュースでは一面にSNSで暴動を煽ったとして2人の若者が起訴、その緊急判決の映像が放映。これ非常に稀なこと。
判決は長くて2か月ほどの懲役だけどかなり減刑されるのでほぼ無いと思ってます。少しは頭を冷やせ・・と思うのですが。
犯人の顔は保護されているけど、裁判所内での似顔絵は公開されたので政府やメディアの意図が読めます。ちなみに移民系でした。
警察はSNSを解析中でこうした暴動を煽った連中を強化して取りしまるようです。
自分も含めて移民に対する考え方が世界規模で変化していて、共存世界の考えから自国主義的な方向へ向かっている今。
日本も含めてその国固有の思想とか社会が移民によって影響されて変わっていく事実を見るとさすがに何が正しいとかは簡単に言えません。
しかし今回のロッテルダム市長のようなメッセージはある一定の効果をもたらしたのは事実です。実際オランダの人々が動いたわけだし。
日本や世界の指導者も言葉を選んで伝える事を学んでもらいたいと思った次第。でも言葉だけじゃダメですけど。やっぱ人が動ないと。
もう一つ:「ワクチンの話」
アストロゼネカからEUへの供給が大幅に減る・・・ニュースが飛び込んできました。
真相解明中ですがどうも、英国へ売ったらしい。ジョンソン首相のやりそうな感じ。EUはみんなでまとめ買いを計画、これがとん挫して大騒ぎ。
60%減で契約の40%しか入らないので計画自体が無理に。しかしアストロゼネカは計画書には納品数は明記してないと反論。交渉決裂。 はあーーー。
それと、コロナテストで個人情報がダダ漏れ。データ売買されているというニュース。
言わるゆるマイナンバーと口座とサインを含むすべての個人情報が2人の保健所作業員によって売られていた。
保健所はバイトを含む大量の臨時職員を採用。しかもこの個人データは保健所職員が簡単にアクセスできた。これ結構すごいことになります。
サイバー犯罪は前から言われていますが、過去や最近のオンラインなりすまし犯罪では
他人が勝手に人のデータを悪用して借金や犯罪をするという事が起きてます。
被害者は泣きついても取引銀行などからしてみると個人データは 正しいものなので何もできない。ただ疑われるだけ・・・という事実が多発してます。
今回のワクチン接種も保健所主導だしどうなるのか。日本もマイナンバー関連付けとか言っているそうなので。
とにかく発病しないように対策をするのが一番良いであろうという個人見解です。それには免疫強化です。
乾布摩擦。発汗。運動。(これらは自律神経への刺激と訓練)それと食事法と排便。それと感染防止の行動。
以上 今日の阿蘭陀でした。
遠くオランダのことですが、身に染みる内容でした。市長の言葉と市民の人たちが立ち上がったこと…。
こちらでは、コロナ禍で困窮している人たち、その多くは非正規だったり子育てに苦闘している女性だったりしていますが、その人達に対して、首相が国会の場で「…生活保護を受けるように」と発言してしまいました。
それを聞いて絶句しました。首相は昨年の演説で「自助・共助・公助」という言葉を使いましたが、コロナ禍の経済的困窮に対する公助とは「生活保護」の事だったのか…。
収入が減ったり無くなったりしている中でも、皆さんそれなりの誇りと気概をもって何とか頑張っているのに、です。
…せっかくの首相の発言なので、この際、「人としてのベーシック・インカム」(最低必要限の基礎収入)として、生活保護について考えてみませふ。海外の国や自治体では実験的に、何の紐付きもせずに毎月10数万円とかを2-3年間「与える」というベーシック・インカムの実験を行っていますね。
ちなみに『健康で文化的な最低限度の生活』(柏木ハルコ)という漫画では、「…新卒公務員として福祉事務所に配属されたのが主人公の義経えみる。そこでケースワーカーとして生活保護に関わり、生活に困窮した人々の暮らしを目の当たりにして…」というストーリーです。生活保護の実際を「マンガで学ぼう」!
東京都庁前では、食料の無料配布に200-300人が並びました。中には、収入ゼロ、住むところ無しの人たちが居るので、支援団体などの関係者が「生活保護は?…」と尋ねると、その中の
by kasait [新型コロナウイルス] [社会・社会学・心理学・文化] [巣ごもり・縮み志向] [コメント(0)|トラックバック(0)]