平均的な見方ということ2020年03月01日 23:37

「平均」とは、たいらにならして均一にすることです。
しかし、人は皆それぞれ生まれも育ちも違うので、人として同じであるはずはありません。一卵性双生児の二人は遺伝子は同じかもしれないけれども、時間的には生まれでも学校などでも後先が出来る。また、居場所も左右前後とちょっとずつ違うところに存在し、社会生活の間には二人は確かにそれぞれに異なる人格となります。
 いずれしても、バラバラだと理解するのが難しいので一まとまりにして扱いやすくしようとします。ある事柄や特徴については「AさんもBさんも同じ」とする訳です。
 児童・青年、中年、高齢などの分け方、あるいは男性・女性という分類、「北国・北方でも南方でもない地域・南国の人」、「神経質・おおらか」などのカテゴリーに入れることで、とりあえず「同じ」とみなし束にして分かろうとするわけです。
 統計学に先だって、実は「同じと見なす」という非常に強力な束ね方が人間には備わっているので、それに基づいて統計学も展開されます。 「本当は違うのです」という視点を棚上げするという暗黙の前提の下、統計学が心理学では用いられることになります。
あまり言われないことですが、注意したいところです。

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